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身近な寄生虫について

ワクチンの他にもすべき大切なこととして、寄生虫の駆除や予防をすることが挙げられます。

寄生虫には外部寄生虫、内部寄生虫と分けられ、どちらも身近なところに潜んでいます。

目に見える虫もいますが、そうでないこともあり、気が付いたら感染していたということも多いです。

完全に室内飼いだから大丈夫ということは決してなく、飼い主さん自身の服や荷物から侵入してくることもあります。

そういった寄生虫に感染した動物たちは軽い症状で済む場合もありますが、重症化して治療が困難になったり、命を落とすこともあります。

ですから感染して重症化しないようにしっかり予防していきましょう。

 

どんな寄生虫がいるの?

先ほど述べた通り、大まかに外部寄生虫と内部寄生虫に分けられます。

簡単にいうと外部寄生虫とは体の外(表面)で暮らす寄生虫で、内部寄生虫とは体の中で暮らす寄生虫のことです。

それぞれの例を挙げていきます。

 

外部寄生虫

ノミ、マダニ、シラミ、ハジラミ、センコウヒゼンダニ(疥癬)、ミミヒゼンダニ(耳ダニ)、ニキビダニ(毛包虫:アカラス)など

内部寄生虫

フィラリア、コクシジウム、回虫、鉤虫、鞭虫、瓜実条虫(サナダムシ)

 

その中でも見かける頻度が多い寄生虫についてお伝えします。

 

外部寄生虫

ノミ(イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ)

ノミは決まった動物を襲うのではなく、いろんな動物に寄生します。

ですから、犬や猫に寄生したノミは人間にも寄生します

寄生したノミは血液を吸って、卵を産みます。

症状は体中の強いかゆみが出て、ノミに対してアレルギー反応を示す子は特に腰の辺りに湿疹が出ます。

また、ノミはお腹の中に寄生する瓜実(うりざね)条虫という虫の卵を持っていることがあり、毛づくろいをした際にノミごと食べて感染することがあります。

ノミは気温が上がると活発に動き出しますが、一年中活動はしています。予防は一年中行うことが望ましいです。

 

マダニ

マダニも血液を吸って成長していきます。

血液を吸っては地面に降りて脱皮し、少しずつ成長していきます。

血液を吸う前のダニは数mm程度ですが、血液を吸うと1cmほどに大きくなり、肉眼でもはっきり見ることができます。

マダニはいろんな病原体を保有しており、犬や猫はもちろん人間にも感染する病気をたくさん運んできます。

最近話題なのが重症熱性血小板減少症候群(SFTS)というウイルスによる感染症です。

人間にも感染して、多くはないですが死亡例も報告されています。

 

内部寄生虫

フィラリア症(犬糸状虫症)

フィラリアとはが運んでくる寄生虫です。

感染してしまい駆虫しないでいると、ゆっくりと成長して心臓に寄生し、呼吸困難により命を落としてしまう怖い病気です。

フィラリアは犬糸状虫というようにワンちゃんに感染しますが、ネコちゃんにも感染することがあります。(ごく稀に人間にも感染することがあります)

ネコちゃんの場合は少数寄生で呼吸困難となり、治療も難しく命を落としてしまう可能性があります。

フィラリア症について詳しくはコチラに記載しています。

 

コクシジウム

子犬・子猫の時に感染していることが多い寄生虫です。

小腸に寄生して下痢、血便、嘔吐を引き起こします。

ワンちゃんに寄生するコクシジウムは人間やネコちゃんには感染せず、ネコちゃんに寄生するコクシジウムも同様に感染しません。ですが、絶対ではないのでしっかり手を洗い、感染している場合はトイレを熱湯消毒してください。

 

回虫

同じく子犬・子猫に感染していることが多い寄生虫です。

感染すると下痢や嘔吐することがあり、低栄養状態や貧血となります。多数感染している場合は腸閉塞を起こすこともあります。

この回虫は人間にも感染することがあり、回虫の幼虫が人間のいろんな部位に迷い込んで移動し(迷入)、その部位による症状が出ます。

 

瓜実条虫(サナダムシ)

犬条虫ともいわれる小腸に寄生する虫です。ネコちゃんにも寄生します。

上述の通り毛づくろいの際に瓜実条虫に感染したノミを食べてしまったり、ウンチについた虫卵を食べることで感染します。

ほとんどが無症状ですが、腸粘膜に噛み付いて寄生しているため、寄生数が多いと出血性腸炎の原因になることもあります。

無症状で気づきにくいのですが、気づくポイントとしては肛門周囲やウンチの表面に「米粒」が付いていないかどうかです。もしくはワンちゃん・ネコちゃんのベッドに乾燥した「白ゴマ」が落ちてないかどうかもポイントです。

体は片節といって複数の節に分かれています。その1番最後の片節に卵が作られ、切り離してウンチと一緒に外に出ます。

そのちぎれた片節が米粒にそっくりなのです。

もしもそういうものを発見したら治療が必要なので、写真を撮って来院してください。

 

どうやって予防・駆虫するの?

今は一つの薬で幅広く予防・駆虫できる薬が出ています。

食べるおやつタイプのものや背中に垂らすタイプなどあります。(一部対応できない寄生虫もいます)

フィラリア・ノミ・マダニに関してはコチラをご覧ください。(ワンちゃん編)(ネコちゃん編

お腹の虫に関しては種類が多いので、ご相談ください。