気管虚脱 手術治療症例2
9歳 ポメラニアン 5.8kg 去勢雄
主訴:咳が止まらなくなり寝られない
臨床症状:頚部気管狭窄音++ cough test(++)
心雑音なし 肺野での副雑音なし
触診で気管軟骨の柔軟性確認
気管虚脱を疑い、頚胸部のX線検査を実施
(吸気)
(呼気)
(圧迫)
(Sky view像)
(胸部DV像)
頚部気管虚脱 (GradeⅣ)
頚部気管は重度に虚脱し扁平化していることがわかりました。
そのことで気管粘膜が炎症を起こし、発咳が止まらなくなったと考えられます。
年齢も当時7歳と比較的若く、先のことも考えると手術を勧めましたが、まずはお薬で様子を見ていくことなりました。
それから発咳は悪くなったり良くなったりを繰り返し、2年経過観察しましたが外科的治療を希望されたので実施しました。
術前の気管内視鏡検査画像です。
(曇ってしまい見づらくなってしまいました。)
虚脱した頚部気管に11mm径のPLLPを装着し、縫合していきました。
術後の気管内視鏡検査です。
(順に頚部、頚胸部、胸部、気管支の画像です)
頚部気管はしっかり拡張しました。
胸部気管はやや虚脱がありましたが粘膜の炎症はそこまでありませんでした。
術後のX線検査画像です。左が術前、右が術後のX線画像です。
(吸気)
(呼気)
術後はやや咳が出ることがありますが、薬を飲んで経過良好です。
最終的には内服も必要なくなる可能性もあります。
また定期的に経過観察していきます。
この記事をシェアする