気管虚脱 手術症例
当院でPLLP法による気管虚脱(GradeⅣ)の手術を行いましたので、その経過を報告します。
症例 13歳 ポメラニアン 2.5kg
数年前から咳がひどくなることがあり、気管虚脱と診断されました。
内科治療を行うと一時的に改善されるが、再発を繰り返すとのことでした。
当院の初診時は発咳とHonking cough(ハンキングカフ)といったガチョウのような呼吸をしていました。
その時のレントゲン画像です。
(左が本症例で右が正常犬です)
(吸気時)
(呼気時)
(圧迫試験)
(Sky view像)
(左)圧迫試験 (右)Skyview画像(気管断面像)
診断:頚部気管虚脱(GradeⅣ)
胸部気管虚脱(GradeⅣ)
咳がひどく呼吸も苦しかったため、PLLPを用いた気管虚脱整復手術を実施しました。
全身麻酔をかけ、喉頭および気管内視鏡検査を行いました。
(左) 頚部気管の内視鏡画像 (右)胸部気管の内視鏡画像
(比較として正常の気管内視鏡画像も載せておきます。)
(正常犬の気管)
本症例は10mm径のPLLPを頚部気管に装着し、拡張いたしました。
術後から呼吸状態は良好でHonking coughも消失しましたが、胸部気管の虚脱も重度でしたので咳がしばらく残りました。
現在も内服と吸入療法を継続していますが、咳はたまに出るぐらいまで減りました。
先日術後7ヶ月で歯石除去および抜歯を行うため全身麻酔をかけましたので、同時にレントゲン検査および内視鏡検査を実施しました。
(術後:吸気時)
(頚部気管)
(胸部気管)
(気管支)
しっかり気管は広がっており、気管内の粘膜にも異常は認められませんでした。
胸部気管は固定できませんが、頚部気管を拡張することで同時にやや拡張されています。
気管支は虚脱が残り、呼気時に潰れていました。
気管支の粘膜は赤くブツブツができ、白い痰も出ていました。
これは気管支炎で、そちらの治療を継続することで咳が減少しています。
現在術後1年半経過していますが、咳もほぼなく元気に生活しております。
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