ネコちゃんの混合ワクチン

次にネコちゃんの混合ワクチンについてお話ししていきます！

猫ちゃんの混合ワクチンの種類は多くなく、３種と５種しかありません。

ワンちゃんと同様に「コアワクチン」「ノンコアワクチン」とあり、コアワクチンに関しては命を脅かすような危険な感染症があります。

＊コアワクチン、ノンコアワクチンについてはこちら

 

コアワクチン

まずはコアワクチンである「猫汎白血球減少症ウイルス（猫パルボウイルス）感染症」「猫ヘルペスウイルス感染症」「猫カリシウイルス感染症」についてお話しします。

 

猫汎白血球減少症ウイルス（猫パルボウイルス）感染症

とても感染力が強く、致死率の高い怖い病気です。

感染すると重度の下痢や嘔吐を引き起こし、激しい脱水状態になります。

また心臓の筋肉にも感染することがあり、突然死することもあります。

 

猫ヘルペスウイルス感染症

いわゆる「猫風邪」を引き起こす原因ウイルスの一つです。

感染力が強く、くしゃみや鼻水、唾液から飛沫感染します。

目や鼻、喉、気管に炎症を引き起こします。

症状としては涙や目やに、鼻水やくしゃみ、発熱などが多いです。

結膜炎は重度になると目が開かなくなるほどに腫れ上がったり、鼻炎も重度になると匂いが嗅げなくなり食欲がなくなることもあります。

またヘルペスウイルスは一度感染すると、体からは出ていきません。症状が治るとウイルスは神経に潜伏感染し、免疫力が低下した時に再び炎症を引き起こします。

そのため、一度感染すると再発を起こす可能性が高い病気です。

 

猫カリシウイルス感染症

ヘルペスウイルスと同様で「猫風邪」を引き起こす原因ウイルスの一つです。

症状はヘルペスウイルスと似ていますが、口の中に潰瘍を引き起こし、慢性的な口内炎・歯肉炎を起こすことが特徴です。その口の中の痛みにより食欲を落とす場合もあります。

また肺炎を引き起こすこともあり、それにより死亡する可能性もある病気です。

 

ノンコアワクチン

次にノンコアワクチンである「猫白血病ウイルス感染症」「猫クラミジア感染症」についてお話しします。

猫白血病ウイルス感染症

感染して発症すると白血病やリンパ腫といった悪性腫瘍を引き起こします。

また、その他FeLV関連疾患として貧血、免疫不全、慢性鼻炎、口内炎や慢性腸炎なども引き起こします。

発症してしまうとほとんどが3-4年で死亡してしまう怖い病気です。

ただしウイルスに感染したら全頭が発症するというわけではありません。

感染しても自分の免疫で排除することがあります。しかし幼猫に関しては免疫力が強くなく、排除できず持続感染してしまう可能性が高いです。

ワクチンを打てば100%この病気を防げるというわけでは無いので、同居猫に感染猫がいる場合は必ず部屋や食器を別々にしましょう。

 

猫クラミジア感染症

クラミジアという細菌が感染することで結膜炎を起こします。鼻炎や下痢といった症状を引き起こすこともあります。

感染猫の目やに、涙、鼻水から移ります。特に目の結膜で増えることが多く、結膜炎を引き起こします。

通常の抗生剤点眼では治らず、特定の抗生剤を使っての治療となります。

 

３種と５種どっちを打てばいい？

飼育環境と周囲の環境によって変わります。

「３種」・・・室内飼育

「５種」・・・室内外飼育

簡単に分けると以上のように考えてもらって大丈夫です。

ただし室内飼育であっても同居猫にFeLV（猫白血病ウイルス）陽性猫がいる場合は５種を打ったほうがいいでしょう。

その場合は前もってウイルス検査を行い、FeLV陰性でしたら５種混合ワクチンを打ちます。（ウイルス検査で陽性の場合はすでに抗体があり、打つ意味が少ないからです。）

 

ワクチンや病気に関して難しいことも多いですが、気兼ねなくお聞きくださいね！