ワクチン・予防

【予防】

ワンちゃん、ネコちゃんたちが大きな病気にならないように、また飼い主様たちにも安全に暮らしていただくため、予防はとても大事なことだと考えています。他のワンちゃん、ネコちゃんだけではなく、人間にも移ってしまう病気もあります。簡単ではありますが、参考にしていただけたらと思います。


①ワクチンには『混合ワクチン』と『狂犬病ワクチン』があります。

ワンちゃんは『混合ワクチン』と『狂犬病ワクチン』を、ネコちゃんは『混合ワクチン』を打ちましょう。混合ワクチンは免疫力を高めるため、初年度は複数回接種します。成犬・成猫の場合は2回接種します。ただ、子犬・子猫の場合はお母さんからの免疫(移行抗体)があり、初めてのワクチン接種では十分な免疫がつかないのです。よって、子犬・子猫の場合は3回接種します。その後は1年に1回接種していきます。

回数 子犬・子猫の場合成犬・成猫の場合(今までに接種したことがない)
1回目生後8~9週齢飼育開始から早いうちに
2回目1回目接種の約1ヶ月後1回目接種の約1ヶ月後
3回目2回目接種の約1ヶ月後
以降3回目接種した日から約1年ごと2回目接種した日から約1年ごと
狂犬病ワクチンは混合ワクチンを接種後、約1ヶ月間隔を空けて接種します。


【ワクチンについて】

●混合ワクチン

当院ではワンちゃんの混合ワクチンは5種と10種、猫ちゃんの混合ワクチンは3種と5種を用意しています。(メーカー欠品や状況により多少の変更がありますのでご了承ください)


『犬5種混合ワクチン』

犬ジステンパーウイルス
子犬から成犬まで致命的な肺炎や麻痺を引き起こします。高熱や下痢・嘔吐、咳などの症状が出ます。飛沫感染や接触感染します。
犬パルボウイルス感染症
激しい下痢や嘔吐を引き起こし、重度の脱水となります。伝染力が高く、死亡率も高い厄介な病気です。
犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型) 
尿や唾液から感染し、軽症ですむ子から突然死してしまう場合もあります。発熱や嘔吐、黄疸などの症状が出ます。
犬アデノウイルス2型感染症
発熱・元気がなくなり、咳や鼻水も出ることがあります。混合感染により死亡率が高くなってしまいます。若齢時にかかりやすいケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の原因の一つになります。
犬パラインフルエンザウイルス
伝染力が強く、呼吸器症状を引き起こします。これもケンネルコフの原因の一つになります。

『犬10種混合ワクチン』

犬5種+犬コロナウイルス感染症+レプトスピラ感染症4種(イクテロヘモロジー型、カニコーラ型、グリッポチフォーサ型、ポモナ型)

犬コロナウイルス感染症
ワンちゃんの腸に感染して、下痢や嘔吐を引き起こします。成犬は無症状の場合が多いですが、子犬では症状が出る場合があります。新型コロナウイルス(COVID-19)とは異なります。
レプトスピラ感染症
レプトスピラという菌はネズミや野生動物の尿から、またはその尿に汚染された川や土からワンちゃんや人間の皮膚から入り込み感染します。また、感染動物の尿で汚染された野菜を食べることでも感染します。レプトスピラ感染症は軽症なものから重症なものまであり、治療が遅れると腎不全、肝不全となり命を落とすこともあります。また、人間にも感染する人獣共通感染症と言われるもので、型によっては死亡率も高いことから届出伝染病に指定されています。

『猫3種混合ワクチン』

猫汎白血球減少症ウイルス(パルボウイルス)
発熱や嘔吐・下痢といった症状が現れ、免疫に関わる白血球の数が減少してしまいます。感染力が高く、子猫に感染すると死亡率が高い危険な病気です。
猫ヘルペスウイルス
いわゆる猫風邪と言われ、鼻水やくしゃみ、結膜炎で目ヤニや涙が出て目が開けられなくなったりします。ヘルペスウイルスは一度感染すると、体に潜伏感染して出ていかなくなります。そして免疫力が落ちた時にウイルスが増え再発してしまいます。こちらも重症化すると命に関わる病気です。
猫カリシウイルス
こちらも猫風邪のような症状を引き起こします。カリシウイルスの場合は口や舌に潰瘍を起こすこともあります。重症化すると肺炎を引き起こし、命に関わる病気となります。

『猫5種混合ワクチン』(接種前に猫白血病ウイルスが陰性かどうか血液検査をします)

猫3種+FeLV(猫白血病ウイルス感染症)、クラミジア

FeLV(猫白血病ウイルス感染症)
悪性リンパ腫や白血病、その他様々な病気を引き起こし、致死的な経過をたどる恐ろしい病気です。唾液を介して感染します。感染猫に噛まれたり、同じ食器を使って食事をすると感染する可能性があります。
クラミジア
結膜炎を引き起こす細菌です。目が腫れて重度の目ヤニや涙が出ます。発熱や食欲不振も伴うことがあります。目からの分泌液を介して感染します。

【料金表】

犬5種混合ワクチン
¥6,000(税抜)
犬10種混合ワクチン
¥8,000(税抜)
猫3種混合ワクチン
¥4,500(税抜)
猫5種混合ワクチン
¥6,500(税抜)

●狂犬病ワクチン

狂犬病は狂犬病ウイルスを持っている動物(イヌ・コウモリ・キツネ・アライグマなど)に咬まれることで唾液を介して傷口から侵入し、人間だと1―3ヶ月の潜伏期間を経て発症します。神経症状が悪化し、最終的には重度の呼吸障害でほぼ100%死んでしまいます。現在日本では狂犬病ウイルスの感染がない清浄国と言われていますが、他のほとんどの国では狂犬病ウイルスは蔓延しており、いつ海外から侵入してくるかは分かりません。国内で感染が広がらないように、ワンちゃんたちには毎年狂犬病ワクチンを打つ義務があります。

生後91日以上のワンちゃんは年1回、狂犬病予防接種を受けさせてください。接種期間は4月1日から6月30日ですが、これ以外の時期に飼い始めたワンちゃんは飼い始めてから30日以内に接種してください。注射済票をお渡ししますので、首輪や胴輪等に鑑札と共に見える場所につけてください。


②寄生虫の予防をしましょう。

寄生虫には体の中に寄生する内部寄生虫、体の外にくっつく外部寄生虫がいます。この中には人間にも害を及ぼすもの(人獣共通感染症)もあるので、しっかり予防しましょう。


外部寄生虫(ノミ・マダニ)

春から秋にかけて活発になります。草むらや岩陰などにひそみ、ワンちゃんやネコちゃんの体に飛び付きます。山や川だけではなく、近くの河原や公園にもいる身近な生き物です。ノミやマダニはワンちゃんやネコちゃんの血を吸って生活します。ノミに血を吸われると痒みの強い皮膚炎を起こしたり、貧血を起こしたりします。また、瓜実条虫というお腹の虫を運んできたりもします。マダニも同様に皮膚炎や貧血を起こす可能性がありますが、恐ろしいのは様々なウイルスを運んでくることです。軽症の病気から命を落とす病気まで様々あるため、感染しないようしっかり予防しましょう。また、ノミ・マダニはワンちゃんやネコちゃんだけではなく人間にも襲いかかります。人間にも同様に様々なウイルスを運んでくるので、大切な家族を守るためにも予防しましょう。

内部寄生虫[フィラリア症(犬糸状虫症)]

蚊が運んでくる寄生虫で、ワンちゃんやネコちゃんの血を吸った際に感染します。2ヶ月ほどかけてゆっくり成長してから血液中に入り込み、最終的に心臓や肺動脈に寄生します。血液の流れがすごく悪くなり、咳や呼吸困難、腹水といった症状が出て命を落としてしまう怖い病気です。犬糸状虫と言われていますが、猫にもまれに感染して犬と同じような症状になることがあります。過去には完全室内飼いでも発症している報告があり、外飼いではないから大丈夫とは言えません。

回虫・鞭虫・条虫など

腸に寄生する寄生虫です。虫卵を含んだウンチを食べたり、感染動物のお尻を舐めたりして感染します。無症状の場合もあれば、下痢や栄養吸収不良を起こすため食べても痩せてしまうことがあります。回虫はまれに人間にも感染します。排泄したての虫卵は感染力がないため、ウンチは素早く処分して手洗いをしっかりしましょう。


寄生虫予防薬

現在ワンちゃん・ネコちゃんともに多数の予防薬があります。予防するものとしてはフィラリア、外部寄生虫(ノミ・マダニなど)、消化管内寄生虫(回虫、鞭虫、条虫など)があります。フィラリア予防薬を開始する際は、体内にフィラリアがいないかどうか血液検査をする必要があります。(通年投与の方は検査不要です)

予防する範囲や投薬の仕方は多数あるので、その子に合った予防の仕方を相談して決めていきましょう。

【料金表】

*一例です。お薬の多少の種類の違いや患者さまの体重で料金は変わります。

犬 フィラリア予防薬(チュアブル)
¥600〜(税抜)
犬 フィラリア・ノミ・マダニ・お腹の虫(チュアブル)
¥2,300〜(税抜)
犬 フィラリア注射薬(12ヶ月効果)
¥8,000〜(税抜)
犬 ノミ・マダニ薬(背中に滴下)
¥1,500〜(税抜)
犬 ノミ・マダニ薬(錠剤)
¥1,500〜(税抜)

猫 フィラリア・ノミ・マダニ・お腹の虫(背中に滴下)
¥1,800〜(税抜)
猫 ノミ・マダニ薬(背中に滴下)
¥1,400〜(税抜)